大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(れ)1135 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鈴木多人の上告趣意について。

判決書において証拠により、罪となるべき事実を認めた理由を説明するに当つて

は、如何なる事実を如何なる証拠の如何なる部分に依つて認定したかが判文上明ら

かでなければならないことは勿論である。然し判文にその認定の証憑となつた証拠

の内容を具体的に明示することは必ずしも必要でないが、如何なる証拠及び証拠の

如何なる部分によつて如何なる事実を認定したものかが判文記載の事実と相俟つて、

その内容を知り得る程度に説明すれば足るものである。飜つて原判決はその摘示事

実と挙示の証拠の部とを対照すれば如何なる事実を如何なる証拠及び証拠の如何な

る部分に依り認定したかは之を知ることが出来るから証拠の説明方法として原判決

には何等欠くるところはないのである。即ち原判決挙示の被告人に対する司法警察

官の第一回訊問調書(記録第五丁以下)には判示摘示事実と同趣旨の供述記載があ

るし、証人A(同第一一九丁以下)及び証人B(同第一二六丁以下)の原審公判廷

における供述中にはそれぞれ判示摘示事実に照応する記載がある。又之等の証言と

同証人等提出の盗難被害届(同第二二丁、二三丁)との間にも何等矛盾の存しない

ことも明らかである。以上の如くであつて原判決挙示の証拠によれば原判決摘示の

事実は全部之を認め得られるから、原判決には理由不備又は採証法則違反その他所

論のような違法は存しないのである。論旨は理由がない。

仍つて刑訴施行法第二条及び旧刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。

此判決は裁判官全員一致の意見である。

検察官 岡本梅次郎関与

昭和二四年四月九日

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最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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